『リーン・スタートアップ』のライフサイクル
この記事は,前回の「リーンスタートアップ誕生秘話〜背景にある考え方〜」 の続きです。
概要
- リーン・スタートアップ について,その全体の流れを図解し,何も知らない人でも ざっくり理解 できるように解説してみました。
- 『リーン・スタートアップ』(エリック・リース 著)を読んで理解した内容をもとに書いていますが,誤解などがあればご指摘コメントください 🙇♂️
リーンスタートアップのライフサイクル
リーンスタートアップでは,「構築」→「計測」→「学習」 のサイクルを高速に繰り返すことで事業を成長させていきます。
高速な 「構築・計測・学習」 のサイクル
「高速に繰り返す」ことの目的は,高速に顧客について学び,早期に間違いに気づくことです。実績のある大企業の場合では,ブランドを意識して長い時間をかけてプロトタイプを作りこんでしまい,完成して初めて「顧客にとって必要ない」ことが明らかになるという失敗が起きがちです。
爆速にサイクルを繰り返すためには,製品も「すぐに作れる」ことが必要です。これが MVP(実用最小限の製品) と呼ばれるものです。
MVP - 実用最小限の製品
リーンスタートアップでは実際に顧客に使ってもらう製品を MVP(実用最小限の製品) と呼びます。そして,MVP を顧客に使ってもらうことで 仮説の検証を行います。
さて,上の図の MVP(自転車)は1サイクルごとに機能が追加され成長していきますが,やみくもにいろんな機能がつめこまれていくのではありません。1サイクルで MVP に追加される機能は,基本的に「仮説」を検証するために必要な最小限の機能 のみです。比較したいもの以外の実験条件を揃えることで,仮説が本当に正しいのか科学的に検証します。
MVP にまつわる不安
リーンスタートアップでは,すぐ作ってすぐに顧客に使わせます。しかし,すぐに作れる(=十分に作り込んでいないもの)は多くの場合 ショボくならざるを得ません 。大望を抱くアントレプレナーなら「こんなもの顧客に使わせたくない」と思うのが普通です。しかし,『リーン・スタートアップ』の著者は どんなに機能がショボくても顧客に使ってもらうべき だといいます。
リーンスタートアップでは,現時点での MVP の評判が悪いことは気にしません(今後の事業存続が危ぶまれない限りにおいて)。「顧客」と「事業が継続的に成長するための方法」について高速に学び続けることのほうを重視 します。
次回
次回は 「リーンスタートアップにおけるピボットについて」 です。