MVP(実用最小限の製品)完全に理解した
最近,Eric Ries 著 『リーンスタートアップ』という本を読んでおるのだが,”MVP”という概念が登場した。 今日はこれについて理解したことをつらつら再構築して書いてみた。
Step by step Guide: How to create a Minimum Viable Product (MVP)
MVP ってなに?
MVP は,Minimal Viable Product (実用最小限の製品) のアクロニムで,リーンスタートアップにおけるプロダクトのあり方に関する概念らしいのじゃ。
従来は,何か実物を使って仮説検証するときは,3ヶ月〜1年とかそのくらいのオーダーの期間でそれなりにちゃんと動くものモノを作るのが普通だった。用語で言えば,ミニウォーターフォールや,ステージゲート法などである。
Waterfall Methodology in Software Development | MindsMapped
エンジニアとして生きてきた Ries 氏は,プロジェクトの失敗を経験していく中で,このやり方ダメじゃない?と思っていた。
なぜなら以下のようなデメリットがあるからだ:
- 作っている間は顧客に見せないから,フィードバックが得られない。
- 早い段階でピボット(方向転換)できない。
- 最終的な試作品が顧客にウケなかったら,時間と労力のムダ。
だったら,どんなにダサくても動くものだけを作って顧客に使ってもらって,学びを得たほうがよくない?と考えたわけだ。
ここで,「どんなにダサくても」我慢するというのが,Ries 氏の経験によれば重要だ。 例えば,「イマドキのプロダクトなら,あれもこれもできて当然よね〜」という具合で色々機能を詰め込むのはダメ。
MVP は,とりあえず動けばいいのか? → 違う
MVP(minimum viable product)とは – REGENESIS.com
MVP の目的は「顧客は本当にその機能を欲しいと思うのか」を検証することであり,仮説を試す実験場みたいなものだ。
なので,MVP を作るときに「今検証したいこと」以外の機能は盛り込まない。これ以外のものを盛り込むと,顧客に見せるまでに時間がかかるし, 特定の仮説の検証が難しくなる。
「色々詰め込まない」ことで目的に寄与しない労力をなくし,リーンスタートアップにおけるエンジン「検証→構築→学び」を高速に回すことができる。
MVP の種類
MVP には次のような種類がある
動画型 MVP
製品ができていなくても,製品ができた場合にどんな嬉しいことが実現しているかを顧客に見せて擬似的に反応を得ることができる。
計測の候補としては,SNSの関連投稿数や,動画の視聴数などがあるだろう。
コンシェルジュ型 MVP
製品の振る舞いを,人間がやるタイプ。これは Foods on the table というスタートアップで実際に行われたそうだ。
本来なら,ウェブサイトやアプリケーションで顧客と対話するところを人力で行って,「顧客が本当に○○に価値を感じるか」を検証する。
そして,次第に人力のところを自動化していく。
そんな感じじゃ。ということで,次は「革新会計」の話を読むぞ〜〜